福岡大学医学部病理学准教授

久野 敏

Satoshi Hisano

出身地:福岡県

専門分野:腎臓病理学

1978年3月 日本大学医学部医学科卒業
1978年6月 九州大学医学部小児科研修医、医員、助手
1990年6月 九州大学医学部小児科講師
1992年7月 米国バージニア 州立医科大学小児腎臓科(James        C.M. Chan教授)に留学)
1993年4月 新日本製鐡(株)八幡製鉄所病院小児科主任医長
1998年1月 福岡大学病院病理部医員(医学部第2病理)、病理学講師
2007年10月 福岡大学医学部准教授 (病理学)

Interview

腎臓腫瘍、腎生検病理学、腎移植病理学を専門にしている。福岡大学病院小児科、腎臓内科をはじめとして、九州全域、山口県、鳥取県、島根県の大学病院、総合病院から病理診断のため年間約800例の腎生検標本が送られてくる。福岡大学医学部が発足してから、38年の間に腎生検標本は20,000例を越えた。この検体数は日本で1,2位、世界でも5本指に入る検体数である。我々の施設は全例、光顕、蛍光抗体法、電顕を行って病理診断を行っている。これだけの検体数を誇っているので教科書で見られる珍しい疾患の病理標本もそろっている。

また、パラフィンブロック、凍結標本、電顕ブロックは全例、保存されているので、これらを使って臨床病理学的研究、免疫組織学的研究、遺伝子学的研究を行っている。年間約50-60例の腎移植例の診断も行っている。これらの腎生検診断を行った症例に関して、臨床病理カンファランスを福岡大学医学部腎臓内科と月1回行っている。小児科との臨床病理カンファランスも月1回おこなっているが、小児科との臨床病理カンファランスには福岡大学医学部小児科、その関連病院、九州大学医学部小児科およびその関連病院、福岡市立こども病院腎臓内科、福岡赤十字病院小児科、産業医科大学小児科、佐賀大学医学部小児科の小児腎臓医が参加している。

私は現在、IgA腎症の糸球体硬化への進展機序、膜性腎症の病因、IgG4関連間質性腎炎に関する臨床病理学的研究、糸球体腎炎とレクチン経路補体活性系との関係に関する研究を行っている。腎生検病理学を専門として診断、研究をしている病理医は全国でも30名足らずで、そう意味では我々は貴重な存在であるといえる。数少ないということから、日本腎臓病理協会を設立して組織化した。現在、診断のコンサルタント、協会を通しての教科書を作成したり、また日本腎臓学会と協力して腎生検病理診断に関わる診断技術の標準化に向けて活動している。この腎生検病理診断の標準化のため全国の腎臓内科医、小児科医、病理医への講習会を毎年夏休みに行っている。2007年の夏の講習会を福岡大学医学部病理学教室がお世話した。また、韓国および中国の病理医との交流のため日韓、日中腎病理カンファレンスを年1回、行っている。

近年の論文・研究
  1. 1) Activation of the lectin complement pathway in post-streptococcal acute glomerulonephritis/ Hisano, S., Matsushita, M., Fujita, T., Takeshita, M., Iwasaki, H.- Pathology Int (2007, 57: 351-357)
    Clinicopathologic correlation and outcome in C1q nephropathy/Hisano S., Fukuma F., Segawa Y., Niimi K., Kaku Y., Hatae K., Saitoh T., Takeshita M., Iwasaki H.- Clin J Am Soc Nephrol (2008, 3: 1637-1643)
  2. 2) IgG subclasses and complement pathway in segmental and global membranous nephropathy/Segawa Y., Hisano S., Matsushita M., Fujita T., Hirose S., Takeshita M., Iwasaki H.- Pediatr Nephrol (2010, 25: 1091-1099)
  3. 3) Immunohistochemical characteristics of IgG4-related tubulinterstitial nephritis: detailed analysis of 20 Japanese cases/Kawano M., Mizushima I., Yamaguchi y., Imai N., Nakashima H., Nishi S., Hisano S., Ymanaka N., Yamamoto M., Takahashi H., Umehara H., Saito T., Saeki T. – Intern J Rheum (2012: 1-9)
  4. 4) Various roles of Th cytokine mRNA expression in different forms of glomerulonephritis/Ifuku M., Miyake K., Watanbe M., Ito K., Abe Y., Sasatomi Y., Ogahara S., Hisano S., Sto H., Sito T., Nakashima H.- Am J Nephrol (2013, 38:115-123) 5)Distinct cytokine mRNA expression pattern in immunoglobulin G4-related kidney disease associated with renal cell carcinoma Watanabe R, Yasuno T, Sasatomi Y, Nakashima H Clin Kidney J , 7/,269-274 , 2014