福岡大学医学部病理学教授・病理部/病理診断科 診療部長

鍋島 一樹

Kazuki Nabeshima

出身地:宮崎市

趣味:散歩、ドライブ、ホークスの応援、サッカー(を観ること)

専門分野:腫瘍病理学、肺癌・中皮腫・脳腫瘍の病理、がん細胞の浸潤・転移機構

Interview

平成18年より福岡大学病院病理部・病理診断科を、平成22年より医学部病理学講座を担当させていただいております。病理学講座は大講座制で、故菊池昌弘教授、岩崎宏教授の作り上げられたものを、竹下盛重教授とともに協力して、少しでもよい診療、教育、研究ができるように、また少しでも多くの後輩の育成にあたれるよう発展させていきたいと思っています。この3月に、総合医学研究センターの岩崎宏教授が定年にて退任され、寂しくなりましたが、同センターの坂田則行教授にはひき続き診療、教育等の支援をいただいております。

病理部・病理診断科での診療と研修

 病理診療は病理の基本でもありますので、重きをおいて、特に臨床の先生方との連携を大切にやっています。福岡大学病院では、病理部・病理学講座の病理医が協力して診断にあたっていますが、病理専門医(常勤病理専門医11名)の専門分野がそれぞれ異なり、広い分野をカバーできるのがここの強みです(業務の詳しくは大学病院ホームページをご覧ください)。後期研修医のみならず大学院生(特に1、2年目)も診断、剖検に参画し、病理形態学および外科病理学の研鑽を行っています。各科とのカンファレンスが多いのも特徴です。乳腺画像病理、呼吸器、脳腫瘍病理、泌尿器、腎臓、血液/腫瘍内科・病理、膵臓、消化器、皮膚・病理カンファレンスを毎月定期的に行っています。

ここでは、日常の診断や切り出しの指導(ダブルチェック方式)に加えて、問題症例および典型的症例の提示および検討会を毎週行っています。専門医取得前の後期研修医には各臓器の代表的な標本を揃えたteaching fileによる診断指導(外科病理勉強会)も行って、研修期間中になるべくすべての臓器の病変が網羅できるように努めています。剖検時には、研修医師とともに中堅スタッフが入って実際の細かな指導を行い、最後は担当の教授も剖検時診断に加わって、まとめを行っています。全例CPCを行い、臨床との意見交換を経て、症例ごとの病態、診断をまとめています。当院での後期研修に興味のある方はどうぞ遠慮なく声を掛けてください。

大学院と研究

 大学院は「腫瘍病理学」を主催しています。形態学的観察(病理診断)を大切にしながら、肺癌・中皮腫・脳腫瘍の診断に関する臨床病理学的研究に取り組み、また、生化学的あるいは分子生物学的手法も用いて、腫瘍の浸潤・転移の機構にも取り組んでいます。現在、p16 FISH (fluorescence in situ hybridization) を組織・細胞診へ応用した中皮腫の早期診断法の確立、微小乳頭状構造(micropapillary pattern)を有する肺癌のリンパ行性転移に関する研究、大腸癌・皮膚癌・頭頸部癌におけるtumor budding/sproutingと呼ばれる浸潤様式に関する研究、腫瘍増殖や浸潤に重要な役割を果たすメタロプロテアーゼ誘導因子emmprinの解析などに取り組んでいます。若手スタッフおよび大学院生・研究生の横の連携がよく、なかなか活発で明るいLabです。興味のある方は是非のぞいてみてください。